「焼き菓子の卸売の依頼が来た。ぜひやってみたいが、卸価格は定価の何%にしたら良いか?送料は相手負担なのか?支払いは月末締め翌月払いなのか?」
キッチンメンバーさんからのご相談。
支払い方法
まず重要なポイントから。
支払い方法は、100%「代金引換」にしてください。
キャッシュオンというやつですね。
もしくは、銀行振込の前払い。
逆に、メンバーさんが質問してきた「月末締め翌月払い」は絶対にやってはいけないです。
理由は簡単で、「ビジネスは信用」が第一だから。
取引歴が少ない=お互い信用が少ない
取引歴が多い=信用が蓄積されている
なので、取引量が少ないうちはお互い信用がないので、ニコニコ現金で間違いない取引をして信用を積み上げていくのが大原則です。
トラブルを避ける基本中の基本です。
これね~、ほんと、この基本無視してやって、結果、関係こじらせるいうのクソほど見てきたんで・・・
送料
送料も先方が全部負担するのが大原則。
ただし、取引額が多く、こちらが送料を負担してもちゃんと利益が残る額が見えている場合は、「◯◯円以上のお買い上げで送料無料」とするのも一般的。
送料を売りてが負担するときよく使われるのが「元払い【もとばらい】」。
「◯◯円以上で元払い。」というふうに表現します。
当社の通販部では、どこのメーカーもだいたい仕入額3万円以上で送料が元払い、つまり、メーカー側が負担してくれる習わしがあります。
でも、これは業界によってバラバラで、「送料は必ず発生する。」という業界もあれば、「安くても完全に送料無料」という業界もあります。
卸価格はどうする?
メンバーさん限定記事にも書きましたが、販売価格は原価から計算するのは半分間違い。(というか、手作りの作り手さんは、そーいう値付けをすると確実に失敗する。)
「原価の3倍の値段をつけましょう。」とかはガン無視しましょう。
値段は、売れる値段が正しい値段です。
お客さんが、ふつうに買ってくれる値段が正解。
クッキー1個の原価が100円でも、1500円で売れるならそれが正解。
結論を言うと、卸販売をする場合は、定価は決めないこと。
オープン価格と言う言葉を使います。
オープン価格は、売り手が自由に値段をつけることができる値段の決め方スタイル。
「クッキー1枚300円で卸しますが、おたくは、350円でも800円でも、好きな値段で売ってください。」というスタンスです。
ただ、売り手が「そんなん言われても困るわ・・・なんぼで売ったらええの?」みたいなことを聞いてくる場合があるので、そのときは、「◯◯円ぐらいで売るのがええ感じです。」という値段を提示しておきます。
参考上代【さんこうじょうだい】という言葉を使うことがありますが、お菓子の世界ではあまり使われているはみたことないですけどね。
卸価格:300円(オープン価格)
※参考上代:520円
みたいな感じですな。
ただ、この辺は「そんな値段売れるかアホ|」みたいな値段をつけないよう、現実的な値段をつけるのがコツ。
たまにあるでしょう?
定価:12,000円
特価:3,000円
そんな定価絶対うそやん。
みたいな。
こういう売り方は法律でもNGになってるのでご注意ね。
メッセージ文例
卸販売をする場合、本来は契約書を交わすところからスタートします。
でも、今の時代、そんなどんくさいことをやってると、お客さんを逃してしまいかねないので、サクッと取引できるような返事からスタートするのがコツです。
【依頼メッセージ文例】
かわいくて美味しそうなお菓子の投稿、いつも楽しみにしています。
ぜひ商品を卸して欲しいと思います。
【回答メッセージ文例】
ありがとうございます。
卸売承っております。
お取引の条件は次の通りですので、どうぞご検討くださいませ。
◯卸価格
商品A:300円(販売価格:オープン)
商品B:400円(販売価格:オープン)
◯数量
商品A:24個単位
商品B:12個単位
◯送料:1,480円(大阪→東京/代金引換)
◯納期:ご注文から約1週間
その他、ご不明点はなんでもお気軽にメッセージしてください。
はじめは、ゆうパックから
ゆうちょ銀行に口座があることが前提ですが、ゆうパックなら個人でもすぐに代金引換が使えます。
ヤマト運輸や佐川急便などは「契約」をしてからでないと、代引きがつかえないので後回しにしたほうが良いでしょう。(契約は個人でも簡単にできます。)
販売するお菓子が冷蔵や冷凍になってくると、ゆうパックでは対応できないので、ヤマト運輸や佐川急便と契約を済ませておきます。
梱包は最新の注意を
一般のお客さんを相手に販売していて「10人のお客さんに商品を送った。」という場合。
そのうち2人が、「届いたクッキーが割れていた。」ということがあっても、クレームしてくることもあれば、ノークレームのこともあります。
ノークレームのお客さんは「味が変わるわけちゃうしええやん。」という優しいお客さん。
でも、クレームしてくるお客さんは「プレゼント用やのに!」ということもあれば、楽しみにしてたクッキーが割れてのが残念で感情的になる人など。
これが卸販売になると、ちょっと話が変わってきます。
今度は、先方が一般のお客さんに販売するわけなので、割れてたものが入っていたりすると「売り物にならない」ので、ふつうに「交換してくれ。」と言ってくるのがふつうです。
当然、そこは、真摯に対応するのが売り手の義務です。
そうならないよう、梱包は慎重にしてください。
本格的になってきたらご相談を
当キッチンのメンバーさんでも、卸販売をしている人もちらほら。
でも、卸しの注文がコンスタントに入るか入らへんかは、先方の販売力次第なんですよね~
もし、先方がじゃんじゃん売ってくれるようなお客さんになりそうなら、ぜひぜひご相談ください。
どんどんお菓子作りを拡大して利益が出せるよう、別枠でお手伝いしますよ~
断る勇気
卸しを希望する先方さんが、こちらの提示する条件に「納得いかない感じ」がある。
あるいは早々から「大幅な値引き交渉をしてくる。」ということも、ふつうにあります。
そういうときは、遠慮なく断ることが基本です。
「買ってくれない。」という結果になるのは、残念なことですが、それはその瞬間だけのこと。
長い目では、自分にとって、良くないお客さんをふるい落とせて、「次の良いお客さんに出会うきっかけができた。」と捉えるのが大事です。
声をかけてくれた人やお店すべてがお客さんになるとは限らないのは、忘れたくないポイントです。
資料を用意しておきましょ
ナイスタイミングで、新しい取引先候補から見積書が送られてきました。(お菓子ちゃいますが。)
経緯としては、「ちょっと仕入れてみよかな?」ということで企業にメールを入れました。
で送られてきたのが「見積書」
商品写真から商品名、品番、サイズや重さ、そして卸価格など。
「お菓子を卸して欲しい。」と言われた場合も、このような資料(見積書)を用意しておくことで、取引もスムーズになります。
ちなみに、今回の企業さん。
こちらがメールを入れたのが9月9日。
この見積書が来たのが翌月10月6日。
約1ヶ月。
ありえへん・・・
資料を用意してなくて、パソコンの苦手な新入社員にでも作らせたのでしょうかね。
恐ろしいほどの遅さの対応だったので、この企業との取引はナシ😁