初めてのお菓子販売。意識したい7ステップ

初めてのお菓子販売

当レンタルキッチンには「初めてお菓子を販売する。(販売したい。)」という方もたくさんいらっしゃいます。

お話する中で、「何から始めたら良いのか?」といった疑問から「ラベルはどうやって作るの?」といった質問まで。

見学されたときに一通り説明はさせてもらっていますが、初めてのお菓子販売のための7ステップを文字情報として載せておきたいと思います。

店舗名をつける

販売活動をするにあたり店舗名つけてください。

「マダムシンコ」のように個人名を入れるパターンもありです。

自分の名前をフランス語に変えて店舗名にしているメンバーさんもいます。

店舗名は自由につけて問題ありませんが下記の点は注意してください。

×誤解を生む店名

(例)りくろーおばさん(本家:りくろーおじさん)

△一般の人が読めない店名

(例)Kuchen(ドイツ語で「ケーキ」)

※子供からお年寄りまでをターゲットにするのであれば、日本人が簡単に読めて覚えやすい店名がおすすめです。

◯短く
◯発音しやすく
◯覚えやすい

さらには、店名と販売商品のイメージが直結するようなネーミングだとベストです。

(例)米粉パン本舗

ベタになりがちなので、あまりおすすめはしませんが・・・

当キッチンのメンバーさんで「◯◯◯グラノーラ」と、販売している商品名を「まんま」入れている場合があります。

ベストネーミングだと思います。

ネットショップを用意する

できれば最初に準備したいのが実はネットショップ。

「お菓子販売してます!」と言ったところで、

お客さん「どこで買えるの?」

わたし 「ネットショップ準備中です・・・」

いやいや、それは「準備中」ではなく「準備不足」ですよね。

せっかく売れるチャンスがあったのに、お客さんを逃してしまう残念なケースです。

「どこで買えるの?」と聞かれたら、すぐにネットショップのQRコード入りのショップカードを渡せるくらいまで、しっかり「仕込んでおく」のがポイントです。

旅行に行くときも、段取りしておかないと「あれ忘れた!」「これ忘れた!」ってなりますよね。

何でも仕込みや段取りが9割です。

ネット販売が不慣れな場合は、まずはbaseやstoresがおすすめです。(個人的にはstoresですが、お好みでどうぞ)

商品や商品名、値段を決める

何を販売するか決めます。

最初は無理のないアイテム数(品数)にしましょう。

2~3アイテムくらいからがおすすめでしょうか。

そこは個人差があるのであれですが、クッキーやマフィン、ブラウニーなど商品によって製造工程も時間も違うので、実際に作ってみて自分のペースをつかむことがとっても大切です。

何を何個作った=◯時間ということを必ず記録してください。

商品名を決める

商品名は「スノーボール」など定番の名称があればそれで構いませんが、オリジナル商品を作った場合は、オリジナルの商品名をつけてあげると、より「販売してる感」が出て楽しくなります。

ただし、商品名は付け方(ネーミング)によって売れ方が変わることが多いので、じっくり考えたいところです。

値段を決める

値段の付け方は自由ですが、当キッチンのメンバーさんには次のようにアドバイスしています。

『値段は「お客さんが買ってもよい。」と思える値段をつける。』です。

お客さんの心理起点で考えます。

マフィン1個1,000円でも、「自分は高い」と思っていても、お客さんが「あ、いいね~1個ください。」と納得して買ってくれる「内容」であれば、その値段で全然オッケーなんです。

原価は気にする程度で、原価から販売価格を自動的につけるのは、あまりかしこくありません。

一般的に飲食店の原価率は3割といわれています。

例えば、スパイスカレーを「300円で作れば1000円で販売する。」というのが基本、みたいな流れがあります。

でも、1300円でお客さんが納得して買うなら、その値段で全然問題ないわけです。

「安ければ安いほど良い。」のは、洗剤であったりシャンプーであったり、ポテチであったりポッキーであったり、スーパーやホームセンターなどで販売されている大量生産される工業製品だけで十分でしょう。

「気持ちを込めて作る手作りのお菓子」を安売りする必要はありません。

値段の付け方については、「自分でわからない・・・」場合は、当キッチンのベテラン・メンバーさんも含め喜んでアドバイスしますのでご遠慮なく相談してください。

製造する

「自宅で作ったお菓子を販売するのは違法。」というのはよく知られています。

また、中には、「自宅で計量」、菓子製造許可付きのレンタルキッチンを使って製造して、「自宅で包装」といった法令遵守意識の低い人もいます。
(当キッチンでは、そういった意識の方はお断りしております。)

菓子製造許可の「許可」の意味は「計量から包装まで」です。

菓子製造許可のあるキッチンで計量から包装までを行います。

準備するのは「材料」と「包材」です。

とても少なくシンプルです。

何を作るか決めて材料を持ち込み製造。

包装してラベルを貼って商品を完成させます。

一度包装すれば、ラベル張りは自宅でも大丈夫です。ただし、清潔な空間と衛生面に注意してください。

自宅でペットを買っている場合などは動物アレルギーにご注意ください。
(動物を買っていた空室の部屋に入るだけでアレルギー症状の出る人もいます。)

ラベル作りはラベル屋さん

ラベル作りは、基本的に皆さん各自行っているのが現状ですので、パソコンとプリンターを使って作ったり、アプリと専用プリンターで作るなどします。

定番はラベル屋さんですね。

パソコン上やアプリで簡単にラベルが作れます。

自宅にプリンターがあれば無料で作れます。

コンビニのコピー機は使えません。

さいあく、プリンターもないし。買うのももったいない。という場合は、通常のコピーを切ってテープで貼るだけでも大丈夫です。

法令で定められた表示項目が印刷されていれば、それでオッケーです。

材料や包材はどこで買う?

最初のうちは大量に作っても「余って破棄」になりかねません。

材料や包材も少量からスタートするのがおすすめです。

材料は富澤商店が有名でネット販売でも変えますし、大阪なら大丸梅田店、高島屋(なんば)、近鉄上本町店などがあります。

フルーツなどはスーパーなどで入手するのが一般的です。

包材に関しては、シモジマやコッタ、あるいは、ホームセンターなどが使いがってが良いでしょう。

無料配布(販売前のウォーミングアップ)

販売経験のない人は、なんと言っても、まずはこれからです。

商品化を行ったうえで、「お店を始めたんで、また良かったら買ってください。」と、友人知人、親戚、ご近所、そのまたお隣さんなどに配ります。

これが、単に自宅で趣味で作ったお菓子を配っただけなら、文字通り、ただの趣味で終わってしまいます。

ビジネスとして育てていくためには「周りから攻める」です。

幸い、お菓子は老若男女問わず食べるものなので、周りの人が「おいしい!」と言ってくれたなら、その後は、どんどん広がる可能性を秘めています。

逆に、当店(通販会社)で販売している商品など、「畑を持っている人」だけがターゲットだったりします。

そのような商品の場合、友人知人に「買って」と言うことすらできないので、販売方法は、ぐんと難しくなります。

PR活動をする

初めて作ったお菓子を無料配布したところで、その後注文がどんどん入ることはまずないでしょう。

ほんの少しだけPR活動をしたに過ぎません。

販売できる体制ができたら、どんどん自分の商品をPRしていきます。

「継続は力なり。」という言葉があるように、継続して活動することで、少しずつお客さんが増えていきます。

お菓子の販売は、そういったPR活動を継続してリピーターさんを作るのが定番になっています。

PR活動は、上記のように「無料で配る」の他、インスタやフェイスブックなどのSNSのはもちろん、ブログ、ユーチューブ、マルシェなど多様な手段があります。

そこで重要なのが、自分のお客さんになりそうな人が「いる場所」を選んで活動していきます。

例えば、極端な例ですが、60代とか70代の高齢者が中心の商品であれば、いくらインスタで情報発信しても気づいてくれませんよね。

最近は多少スマホが使える老人も増えてきましたが、老人の大半は紙に頼るアナログ人間です。

60歳以上の人に気づいてもらうにはネットではフェイスブックやブログなどがありますが、それよりも新聞チラシのほうが効果的なこともあります。

このように、自分のお客さんは「どこにいる?」「どこで会える?」ということを考えながらPRの手段を選んでいくことが、とても大切です。

数字を見る

「趣味でお菓子やパンを配って満足。」

そんな人もいますが、当レンタルキッチンのメンバーさんは「販売目的」です。

1人でやっていても立派なビジネスです。

というと難しそうに聞こえますが、ビジネスは簡単に言えば算数です。

「入ってきたお金」-「出ていったお金」=「なんぼ残った?」

そこだけ意識して記録をつけることが、お菓子を販売する人の最初の一歩と言えます。

小学生おなじみの「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」だけです。

現在、4つの事業を手掛けてますが、全部細かく見るとか無理です。

普段は、それぞれ「プラスかマイナスか?」だけしか見ていません。

収支を記録するのは、手帳や家計簿に手書きでもいいですし、パソコンが得意ならエクセルを使ってもOK。

あるいは、家計簿アプリなんかを代用するのもナイスアイデアです。

ビジネスは、ある意味「数字」です。

自分のビジネスの数字がどのように動くのかを記録するのが「とにかく」大事です。

簿記だの経理だの、難しいことは最初は無視しましょう。

簡単なところから手をつけていくのが、スムーズにお菓子販売ができるようになるコツではないかと思います。