当キッチンは、焼き菓子やパンを製造して販売する人を応援するというテーマで運営しております。
キッチンを貸すだけではなく、マルシェ出店から実店舗の開業や経営面など、相談されれば、無料で回答しています。
それとは別に、起業する人に対し、コンサルティング、つまり、アドバイスも行っています。
今回は、焼き菓子作りではないんですが、昨年12月にひとり起業した女性からの相談。
来月、面談が決まりました。
このブログの閲覧は9割以上が女性なので、多少参考になるかも?ということで、面談に向けて、内容を整理するのも兼ねてブログ的に書いておきます。(ブログやがな!)
ご参考まで。
まさか自分が起業するなんて
30代前半(独身)。
地方出身の彼女はサラリーマン家庭に育ちました。
家庭は「円満」とは真逆で、親戚をからめたゴタゴタに巻き込まれ、メンタルを消耗することも多々ありました。(「なんでワタシがこんな苦労せなあかんねん。」みたいな。)
さらには、アトピー持ちでひどい時は外に出れないレベル。
内蔵が弱く、添加物にも弱く、コンビニおにぎり2個食べると吐いてしまうほど。
さらには、アレルギー対策で毛のある動物全部ダメ(動物は好きやけど)。
芸術系の大学を出たものの仕事は一般事務など。
結果、上司のお姉さんや社長にいじめられるなど、惨憺【さんたん】たる人生を歩んできたそうです。
が、ここへ来て2022年12月、起業するという転機が訪れます。
起業前から相談は受けていましたが「わたしは、経営者には100%向いてないのわかってる。」なんて言ってました。
「自信もないし、不安と心配しかない。」と。
それが・・・一転。
そんなこともあるある。
めっちゃ順調
起業前にアドバイスしたことは、ほぼほぼ網羅しながら、彼女なりに頑張ってきています。
起業して約8ヶ月目ですかね。
「月の売り上げが30万円を超えそうなので、なんかしたほうがいいですか?」という相談でした。
そうです。
彼女は起業する際、開業届けも出してなければ、帳簿もつけていません。
だから、「そろそろなんかせなあかんのかなぁ~?」みたいな感じですね。
これもアドバイスどおり。
そろそろ、なんかせなあかんので、9月に今後の道筋について面談をすることになったわけです。
起業に不向きな人のほうが起業に向く!?
上記にあるように、彼女はサラリーマン家庭に育ったうえ、芸術系の大学(事務系とか不適合のことが多い)、身体的にもハンデがある。
経営のことなど1ミリもわからんし、パソコンの勉強すらしてこなかった。(だから事務仕事ではいじめられた。)
そんな彼女は、おそらく一般的には「起業に不向き」な人種として考えられているし、「起業したい!」とか言うても、まわりから必ず「やめとけ。」と言われるタイプ。
でも、アドバイスを忠実に実践する素直さがあったので、今、順調に行ってるんちゃうかな?って思うんですね。
向いてないとわかってるから必死で勉強。
起業に向いている人って、勘違いの自信家が多く、「おれがおれが。(男性の場合)」で、人の意見とか、あんまり聞かんのですわ。
そういった人は、それで良いんです。
イタい失敗することで身をもって学ぶことができるので。
余談ですが、アルバイトスタッフで言えば「ワタシはこのやり方でやってきたんですけど、なにか?(いやいや、店のやり方があんねん。お前独自のやり方とか聞いてへんねん。そんなやり方でやるな。迷惑じゃ。)
こういうスタッフが来ると、まじで困る・・・(T_T)
開業届け
次の面談のテーマは開業届けや確定申告、帳簿付け、業務オペレーションの改善などになります。
「開業届けは事業開始のときに出す。」というのが、教科書に載ってる順番です。
でも、そんな現実に、現場に、そぐわない順番でやってたら、うまくいくビジネスも成功しなくなります。
順番は(1)事業開始→(2)ノッてきたら開業届け
これが正解なんですわ。
ビジネスをスタートしたときは、その本業にエネルギーと情熱をそそぐのが最優先。
教科書に書いていることとは逆。
そもそも、教科書を作った人は起業経験などないですから。
公務員が、机の上で、想像だけで、勝手にルールを決めただけなので。
そこ、早く気づかなね。
業務オペレーションの改善
なーんか難しい言葉ですが、要は、
仕事を、無駄なくスムーズにこなすにはどうしたらええか?
を考えて、試行錯誤、実践するという話です。
例えば、焼き菓子の販売で言うたら、「え!?インスタのメッセージでいちいち販売のやり取りしてんの?うそ~ん。そんなもん、とっとと通販サイト用意しなはれや。」という感じ。
客「このパンちょーだい。」
店「あざっす。送料含めて2100円です。こっちまで振り込んでちょ。」
客「振り込みました。」
店「確認しました。発送します。ありがとうございました。」
このようにメッセージを使って、客さんと販売のやりとりをするのって、20年以上前のやり方ですよ。
ひろみ「あこちゃん?ふだん洗濯どうしてる?」
あこちゃん「洗濯板使って手でゴシゴシしてるで。」
ひろみ「なんじゃそれ~~~~~~」みたいな。
焼菓子作りも同じ
焼き菓子やパン作りも、オペレーション(製造工程)を常に改善するのは、あったりまえのあったりまえの当たり前。
もちろん、「のんびりやりたい。」というテーマでやっている場合は、話は別。
ビジネスとしてやっている場合は、製造時間はとにかく短時間で。
無駄な動き、無駄なお金をいかにかけずに業務を進められるか?
そういう視点で、多岐にわたる業務すべてを、チェックして改善していきます。
ただ、ひとりでやってると、視点がひとつだけなので、第三者が簡単に気づくことも気づかず、永遠に無駄なことを繰り返してしまうループは「あるある」です。
だから、ビジネスをやる場合は、必ず、第三者の目線を入れるようにしておきます。
家族や友達でいいんですよ。
「これ、今、こうやってるけど、どう思う?なんか、もっとええ方法ないかかな?」とか聞いてみること。
人が違えば気づくことも発想も違ってくるので、
その発想はなかった!
なんてこと、しょっちゅうです。
女性のひとり起業、実はかんたん。
相談者の彼女は「わたしは経営者には100%向いてない。」と言いました。
ひとりで起業する場合も、一応、経営者ではあるんですが、従業員を持っている経営者とは、180度ちがいます。
何が違うかというと、「従業員がいない。」ということ。
従業員がおるとき~
おらんとき~
で、ビジネスの内容は、腰が抜けるほど、内容が違います。
ひとりは楽です。
ひとり経営の場合、とくに、確定申告まわりに関しては、足し算引き算、掛け算割り算ができたら十分です。
しかも、暗算不要。
電卓が使えたら誰でもできます。
みんな難しく考えすぎですね(^_-)