焼き菓子の卸販売はおすすめしませんよ

とあるカフェから、「店頭で販売する焼き菓子を作って欲しい。」という話が入ってきた。

「自分の名前が売れるチャンスや!」

と思ったものも、納品したお菓子には、そのカフェのロゴシールを貼って販売するという。

わたしのお店名は出ない・・・

つまり、カフェに来たお客さんは、そのお菓子はカフェの商品として認識することに。

となると、単なる裏方・・・

何の宣伝効果もない。

卸販売

これを卸販売【おろしはんばい】とか卸売り【おろしうり】と言います。

当店も、いろいろな仕入れ先から商品を入れていますが、すべて「当店のオリジナル商品」として販売しています。

例えば、ホットドッグに使うソーセージ。

「北海道〇〇無添加ソーセージ工房」という企業が作っていても、その工房の名前は一切出さず「当店オリジナルのホットドッグです。」と売り出します。
(有名なところやったらアピールに使う。)

ソーセージの製造者名を出す必要も義務もありません。

なので、「〇〇ソーセージ工房」にとっては、何の宣伝にもなりません。

これが卸販売の一側面です。

割合わんかったらキッパリ断ること

卸販売の話があった時に、割が合わないと思ったら断ることも大事です。

「断るのが苦手。」という女性は多いですが性別は関係ないです。

販売をしているなら「事業者」ですから、事業者として判断しないといけないです。

その判断に「女性であること」や「主婦であること」、あるいは「断るのが苦手な性格」などは持ち出したらダメぇ~

「事業者」としての判断です。

もし、猿がお菓子を販売していたとしても同じです。

「おれバナナ好きやし。(関係ない)」とか「ボスザルちゃうし。(関係ない)」そういうのは、言い訳になりません。

猿でも犬でも、「事業者の意識」で判断しないといけないんです。

「断ること」は、もはや、販売者としての責任と言っても過言ではないです。

優柔不断な状態、宙ぶらりんな状態、関係こじらせ、を作るのは、周りにも自分にも害を与えるだけです。

依頼を受けてみよう

割が合わないと思っても数回は依頼を受けるのは、意外にオススメです。

「断れ」言うといて、どっちやねん!

ですが、世の中、そうシンプルではないのはご存知かと思いますが、ちょっとしたアクションがきっかけで何が起きるかは、誰もわからんのです。

例え、割の合わない仕事を受けて「結果、残念だった。」と言うことがあっても、それがきっかけで別のつながりのようなことが生まれることもあります。

でも、首を突っ込まなければゼロ。

あえて、ちょっと首を突っ込んだ結果、「残念な結果の確認(経験)」以外に、「想定外の展開が!」ということもあるわけです。

そこの判断は直感に従うと良いです。

嫌な「感じ」であれば速攻断る。

「割り合わへんけど、なんか気になる。」みたいな時は首を突っ込んでみる、みたいに。

卸販売専門ならあり

世の中いろんな企業がありますが「卸専門」と言うところも、たくさんあります。

当店の仕入れ先の業者などは、業界人にはめちゃくちゃ有名ですが一般人はまったく知らない。

そんな企業も多いです。

企業でやっている場合もあれば、個人でやっている場合もあります。

卸販売のポイントは「数」です。
(食べ物の場合です。)

一般消費者相手の小売の場合は、「1個から販売」が当たり前ですが、卸販売の場合は、簡単に言えば「まとめ売り」です。

それが基本になります。

なので、「焼き菓子1個だけ卸して。」なんて言われたら速攻断ってください。

先方が卸販売の意味を知らない痛い状況です。

卸販売の場合は、一回の注文は50個以上とか合計3万円以上とか、下限を設定するのが一般的です。

「ミニマムロット」と言った言葉を使うこともあります。

設定した数量を下回る注文は、そもそもできないのです。

卸売りは難しいのでおすすめしない

卸販売を、おすすめしたり、おすすめしなかったり。

「どっちやねん!?あほちゃうか!」ですが、卸売りをちゃんとやろうと思うと、正直、ちょっと難しくなります。(初心者には)

というのも、卸売の場合、卸先との契約が前提になります。

一回の注文数はいくらから?
支払いのタイミングはどうするか?
支払い方法はどうするか?

など、先方と書面を通じて取り決めをする必要があります。

当キッチンは、個人で活動している人が多いので、そこまでせず、だいたい「口約束」でやっていると思います。

口約束でも、いいんですよ。

関係性が上手くいってる時はそれでいいんです。

でも、ややこしいことになってきたら、オシマイです。

口約束からのトラブル発生、関係性こじらせ、例をあげればキリがないです。

個人レベルで活動していると、どうしても口約束になってしまうと思いますが、「そのうち発生するかもしれないトラブル」は、自分や相手が悪いのではなく、「契約を交わしていない」のが原因。

トラブルフリーが理想ですが、口約束だけの場合は、そういったリスクがあることを覚悟しておくことが必要やと思います。

「そんなこと言うてなかったやん。(聞いてへん。)」とか「それ去年12月に言うたやん。」

言った言ってない議論は子供のやることです。

なお、当キッチンでは、卸販売を始める場合の手順や簡単な契約書の作り方、卸販売ビジネスの進め方など、無料で指導させてもらってます。(今のところ)